飛騨の自然が育てた地酒

岐阜県は変化に富んだ地形を持ち、大きく南北に分けられます
飛騨地方と呼ばれる北部では
寒冷な気候のもとで、盛んに酒造りが行われています
 岐阜県は、山の国、水の国。日本列島の中央部に位置し、飛騨地方には日本の屋根と言われる標高3,000m級の山々が、雄々しくそびえ立ちます。そこでは清流が育まれ、豊かな水の恩恵を人々に与え続けているのです。
 この地には、酒造りに必要な自然の恵みが見事に揃っています。まずは米。酒造りに適しているのは、私たちが主食としている品種ではなく、酒造好適米と呼ばれるものです。「酒米は大粒心白を以て最上となす」と言われるように、米粒が大型で、中心にある乳白色の部分にあたる心白が大きいのが特徴です。飛騨地方では、岐阜県が生み出した「ひだほまれ」「ひだみのり」という優良な酒造好適米が栽培されています。これらは手間がかかる上に限られた量しか収穫できない、農家泣かせの米。しかし、「地元の良質な米で、岐阜ならではの旨い酒を生み出したい」という一心で、農家と酒蔵が一丸となり、日夜情熱を傾けているのです。
 そして、重要な原材料となる水。製造過程においても欠かすことのできないもので、膨大な量を必要とし、その質は酒の味を左右する大きな要因となります。特に、細菌や鉄分、マンガンが含まれた水は、酒質を劣化させる原因となるもの。しかし飛騨の水は、北アルプスからの雪解け水などを豊かな山々がろ過しており、不純物が少ないのが特徴。さらに岐阜県は、地下を流れる伏流水が豊富な土地。川の水を取水するのと比べ、格段に純度が高いのです。
 豊かな自然環境と、酒を愛する人々の思いが生み出す岐阜の酒。まさに岐阜ならではの魅力に満ちています。