銘木・一位の木
昔、この木で作った笏を朝廷に献上したところ、他の材で作ったものより美しく、質が高かったことから、最高位の正一位にちなんで、一位といわれるようになったといいます。現在では学名としてもイチイが正式に使われています。
飛騨では、位山からとれるものを一位、他の山からとれるものをアララギといいました。耐寒性、耐陰性にすぐれているため、庭の植え込みなどにもよく使われています。
一位は、銀杏と同じ雌雄異株で、雌木は、赤い実をつけます。果肉は、甘くそのまま食べられますが、種子には、アルカロイドのタキシンが含まれるため、誤って飲み込むと中毒をおこすことがあります。
一位の木の特徴
一位は、成長の遅い分、木目が細かく、夏目と冬目の硬さが均一で彫りやすい木として重用されます。外側の白い部分を白太といい、中の赤い部分を赤太といいます。一位は、時が経つにつれ茶褐色になり渋みが出てきますが、これは木に含まれるタンニンが空気と作用することで生まれるため、箱にしまったままでは、この変化は生まれません。
一位一刀彫で使用する材は、樹齢100年から中には数百年に及ぶものもあります。原木は輪切りにし、さらにふたつに割って自然乾燥させ、4〜5年経ったところで使用します。通常、彫刻に使うのは赤太の部分ですが、一位は白太と赤太が明瞭なため、この特徴を生かした作品作りも行われます。
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